プレスリリース
ぐるぐる回る分子の“向き”と“形”を制御した電気応答を実現 ─ 従来より高密度に情報記憶できる素子への応用に期待 ─ (新規材料開発グループ)
金沢大学ナノマテリアル研究所の水野元博教授と理工研究域物質化学系の栗原拓也助教は,東北大学の小野寺希望大学院生,出倉駿助教,芥川智行教授などの研究グループと共同で,固体のように形を保ちながら,内部の分子が液体のように回転する物質「柔粘性結晶」において,電気を加えることで分子の向きや形が変化し,その状態を保持できるユニークな電気応答現象を初めて捉えました。これは,分子の「向き」と「形」という二つのスイッチを電気で操作するようなもので,従来の記憶素子よりも多くの情報を扱える「多値メモリ」の実現に道を開くものです。この成果は,情報化社会のさらなる発展に貢献する基礎として期待されます。
本研究の成果は米国現地時間の2025年5月25日,科学誌『Journal of the American Chemical Society』にてオンライン掲載されました。
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